二十四節気コラム
雨水(うすい)2/19~3/5頃
「雨水」の候になりました。

雪深い地方でも、雪から雨に変わり、凍っていた川の水が溶けはじめ一層春めいてくるという節気です。
今年に入り関東地方では記録的な乾燥が続いていましたが、先日、雨水を待ったように降った雨が大地を潤し、暖かい空気を運んできましたね。
これからはこうして三寒四温が繰り返され、桜の季節を迎えるのかなと思いました。
この時期の養生は、長く厳しい冬からやっと抜け出すことができた頃、胃腸を整え、おこもりの時期に体にため込んだ不要物をデトックスし、体のめぐりを良くし、のびのびとゆったり過ごすことが肝心です。
さて、華やいだ心持ちで春を感じる行事のひな祭りが近づきました。
実はこれも「雨水」の節気と関係があります。
日本では古くから人形に穢れを移して川に流す「流しびな」の風習があることから、立春から水に関係する「雨水」の日までにおひな様を出すと良縁に恵まれるとの言い伝えがあります。
我が家では一週間ほど前におひな様を飾り、桃の花も飾りましたので、今年は何とか親の役割が果たせ、ほっとしています。
この時期のおすすめ食材・・『菜の花』

菜の花の想い出といえば……。
遠い昔、母と一緒に上海から蘇州へ旅した列車の車窓から見た、けぶるようにのどかな江南地方の農村の風景、そこには春爛漫と咲き誇る菜の花畑が一面に広がっていました。
晩年、母は春が来るたびに「列車から見た中国の菜の花、きれいだったね」と懐かしそうに話していました。
そして今、私は菜の花を見るたび、母のことを思い出します。
さて話を戻しまして、店頭に今が盛りと並んでいる食用の菜の花。
お浸しにしてもよし、炒め物にしてもよしと、そのほろ苦い味が口の中に春を運んでくれるお野菜です。
アブラナ科の野菜の総称で、油菜とも言います。

薬膳の効能としては「解毒消腫」「活血化瘀」「通便」。
簡単に言えばデトックス作用があり、炎症を抑える働きからニキビやはれ物の症状改善、血のめぐりを良くする働きで、生理痛などの辛い痛みを和らげたりする効果が期待できます。
また、お通じの悩みを抱える人にはおすすめのお野菜です。まだ冷える頃には、温性食材の海老や鶏肉と合わせたり、からし和えにしたりすると、冷えから体を守る良い菜になります。
ちょうど家の冷蔵庫には菜の花が一束あったので、お昼ごはんにと中国料理の定番「木須肉(ほうれん草と豚肉と卵の炒め物)」のほうれん草を菜の花に代えて作ってみました。

豚肉と卵は体を潤す食材。
菜の花、ねぎ、生姜は体を温め、体のめぐりを良くする食材なので、少し冷え込んだ今日にはピッタリの食事となりました。
もちろん、ご飯は消化を助けるためによく噛みました。
食べ物の持つ力を理解し、その季節や体調に沿ったものをいただき、日々の食事で明日の体づくりを考えることは、まさに薬膳の真骨頂であり、古から伝わる知恵です。
いつもの食事で体を整える。当たり前だけれど、大切にしていきたいなと思います。
◇二十四節気(にじゅうしせっき)とは◇
「立春」「春分」「夏至」など、季節を表す言葉として今も使われている二十四節気。
1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにその季節を6つずつ細かく区切った、自然の移ろいを示す24の暦です。
太陽の動きをもとに作られ、古くから暮らしや農作業の目安として受け継がれてきました。
◇敦煌の薬膳への取り組み◇
中国名菜敦煌では、薬膳料理研究家・原田裕子先生の監修のもと、季節に合わせた薬膳メニューをご提供しています。
二十四節気に寄り添いながら、先生のコラムと旬のおすすめ食材も掲載しています。
