二十四節コラム
啓蟄(けいちつ)3/5〜3/20頃

「啓蟄(けいちつ)」の候になりました。立春から始まり穀雨までの春の六節気の三番目の候。大地も暖まり、土の中の虫が穴を開いて顔を出し、そろそろ本格的な春を迎える頃です。
今から二千年以上前に、中国医学の思想と養生について書かれた『黄帝内経』には、春の養生法として
「夜更かししてもよいが、朝は早く起き、ゆったりと散歩し、髪の結いをとき、体をのびのびと動かしなさい。つまり、春に芽生えた万物(虫もその一つ)と同じように、心身ともに生き生きと過ごしなさい」
と説いています。
現代を生きる私たちにとって、三月は花粉や年度末の仕事、卒業、進学などで気ぜわしい時期とも重なりますが、胃腸を整え、おこもりの時期に体にため込んだ不要物をデトックスし、体のめぐりを良くすることが大切です。
そして『黄帝内経』にもあるように、人の気持ちのアップダウンにも影響する春の臓である「肝」の気を、のびのびとゆったり過ごすことが肝心です。
この時期のおすすめ食材
【いちご】
お店の果物売り場には、日本各地のブランド「いちご」が競い合うように並んでいますね。我が家でも大人気のいちご。お食後にいただく日には、小さな幸せと笑顔を運んでくれる果物です。
薬膳の効能からみれば「いちご」は潤す食材であり、熱を冷ます食材。熱や咳のある風邪、花粉によるのぼせ、目のかゆみの改善に効果が期待できます。ただし体を冷やすので、胃腸の弱い方、サラサラの鼻水が出ている方は控えてください。

【春菊】
春に乱れがちな「肝」の働きを調整する作用が期待できる、この季節にぴったりのお野菜です。また胃腸も整えてくれるので、ストレスを感じている人、食欲が出ない人にはおすすめです。春の時期は忙しさや、新しい環境への不安などで、怒りや不安を感じ、なんとなく不眠気味の人にもおすすめの、心優しく頼もしいお野菜です。

【きんかん】
この時期、風邪や花粉でのどのトラブルを感じている人も多いようです。そんな時には、昔からのどを潤す果物として重宝されてきたきんかんはいかがでしょうか。また、爽やかな香りが気持ちもすっきりさせてくれます。
気のめぐりをよくするきんかんなど柑橘系の香りは、ストレスを感じる時にはおすすめです。実は私、柑橘をむいた手に残る香りが大好き。マーマレードを作った後などは、一人ほんわかと幸せな気持ちに浸っております。

最後になりますが、ご紹介した春菊は体を冷やさない野菜なので、この時期の生食もおすすめです。同じく気を整えるきんかんと、乾燥した時期に体を潤すチーズを合わせたものは、今の時期の体を整える立派な薬膳サラダです。
いつもの食材、季節の食材で体を整えること。大切にしたい薬膳の心です。
◇二十四節気(にじゅうしせっき)とは◇
「立春」「春分」「夏至」など、季節を表す言葉として今も使われている二十四節気。
1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにその季節を6つずつ細かく区切った、自然の移ろいを示す24の暦です。
太陽の動きをもとに作られ、古くから暮らしや農作業の目安として受け継がれてきました。
◇敦煌の薬膳への取り組み◇
中国名菜敦煌では、薬膳料理研究家・原田裕子先生の監修のもと、季節に合わせた薬膳メニューをご提供しています。
二十四節気に寄り添いながら、先生のコラムと旬のおすすめ食材も掲載しています。
