梅雨の季節がやってきました。
薬膳は中医栄養学のセオリーの沿った食養生ですが、そのベースは陰陽五行説で成り立っています。つまりこの世のすべてを陰と陽に分けて考え、それをまた自然界を構成する木・火・土・金・水の5つのグループに分け、季節、自然の特徴,方角、臓、腑、感情、色、味など世界に存在する森羅万象をそれに当てはめるという考え方です。
五行説の季節は春夏秋冬の四季に長夏を合わせて5季となります。長夏とは耳慣れない言葉ですが湿気の多い時期、つまり梅雨時の事です。長夏を5つの季節に入れたのは訳があり、長夏の特徴である「湿」は体に溜めおくと様々な不調の原因になります。また中医学では「天人合一」という言葉があるように、人もこの世界を構成する一つであり、自然界の影響を受けるという考え方です。例えば冬は寒い、よって体は冷える、夏は暑い、よって体の中に熱がこもるとういうように、長夏の時期は体に余分な湿が溜りそれが、体に悪い影響を与えると考えます。その悪影響を避けるべく、食べ物や日々の養生で体を整えるという薬膳の知恵が生きることとなります。
ではこの長夏(梅雨)が人に与える特徴と対策を考えてみましょう。
長夏の五臓は脾(消化器)、この脾の働きがダメージを受けやすい時期で、加えて体にたまりがちな余分の「湿」で体や気持ちが重だるくなりがちです。この時期の軽やかな体作りを目指すにはまず体にたまった余分な湿を出すこと、脾を整えることがとても大切になります。具体的には①消化の良いものを食べ脾の調子を整える。②体から湿を出してくれる食材を選ぶ。③消化機能に負担をかけない程度に辛い物を食べて発散させる。④冷たいものの取りすぎに注意する(冷たいものは脾の負担を増やします)などが有効です。
うっとおしい季節ですが食べ物の力を借りて快適にすごしたいものですね。
この時期のおすすめ食材は以下の通りです
◆湿気を排出してくれる食材
小豆、黒豆、緑豆、えんどう豆、そら豆、枝豆などの豆類、とうもろこしのひげ、ココナッツ、空心菜、スイカ、メロン、あさり、鯛など
◆消化機能を整える食材
豆類、山芋、サツマイモ、じゃがいも、穀類、なつめ、砂肝、おくら、にんじんなど
敦煌ではこの時期の体に必要な食材を使って、味付けにこだわった様々なメニューをご提供しています。
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