今年は6月21日に夏至を迎えました。
夏至とは一年の内で一番昼間が長い日です。陰陽五行説で考えるととても重要な日と考えます。
つまり、陰と陽とそのお互いの関係で成り立っている世界であると考えるので、まさにこの日は陽が最大で、これから冬至にむけて陰が少しづつ増えていくといういわゆる陰陽転換の日です。
梅雨も半ばですが、これから先本格的な暑さへ向かっていきます。
中国の6世紀に書かれた古典書『荊楚歳時記』には、「冬至はワンタン、夏はちまき」と書かれており、また中国には「夏至は麺」を食べるということわざもあります。
夏至の暑い時期にちまきは少しヘビーな感じがすると思いがちですが、これもまた陰陽転換の行事食で当時の文献には、「きび」を「まこもの葉」で包んで祭壇にささげたとあります。「きび」は陽性の食べ物、胃腸を整え、エネルギーになる食材です。
それを陰の象徴である水の近くで生える「まこもの葉」で包みこむことで陰陽のバランスを取ると考えたそうです。こうしてみると本当に古来から人々の生活は陰陽五行説とともに営まれていたのだと感慨深いものがあります。
さてその後庶民の中で行事食として定着したのは「夏至は麺」です。この時期に出来た新物の小麦を使った麺を茹でて水にさらし、いろんな具材と一緒に食べるものです。炸酱面(ジージヤン麵)のようなものが一般的です。
これもまた薬膳的にみると理にかなった料理、小麦は五臓の「心・脾胃」に入ります。つまり夏の暑さによるイライラ、不眠を解消してくれ、消化機能を整え、むくみを解消してくれる働きが期待できます。薬膳では基本的にあまり冷たいものは食べないのですが、この厳しい暑さではまあ体のバランスを取る程度には冷たい麺も大丈夫という感じなのでしょう。
敦煌ではこの夏のメニューとして特製炸酱面(ジージヤン麵)も提供します。
食事で体を整えていくこと、大切にしたい習慣です。
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