中国のお正月「春節」とは
1月29日は旧暦のお正月「春節」です。
中国ではこの日は家族や友人たちが集まり、盛大にお祝する日です。この時期は大型連休となり民族大移動の様子をテレビなどで見られた方も多い事と思います。
以前私が務めていた在日中国企業でも、「春節の期間、中国人スタッフは全員中国に帰国しなければいけないので、日本人のあなたが事務所を守ってください」との事で、唯一の日本人スタッフの私が春節の期間中は一人体制で出勤していました。この時に春節を一年で大切な日とし、家族でお祝いするという中国の文化と習慣を間近に感じた事を思い出します。
春節と前後して2月3日頃に立春を迎えるのですが、同じく「春」の文字が入るこの2つの行事には昔から大きな意味が込められています。
春を迎えるということ、つまり雪と氷に閉ざされ、寒さで凍えていた世界から、大地が芽吹き、動物たちも冬眠から目覚め、新しい命が生まれる季節がやってくる事を意味します。現代を生きる私たちの想像をはるかに超える過酷な自然と対峙していた時代、春を迎えるということは命をつなぐ希望の季節を迎えるという大きな喜びだったのです。季節感が薄れてきた現代でも、先人たちの思いに気持ちをはせると、春節や立春がなんだかとても素敵な日に思えます。
薬膳は中国伝統医学に沿った食事の事、その中国伝統医学は中国哲学をベースとする陰陽五行をベースに日々の食事を考えていきます。その中で人は宇宙や自然界を指す「天」の中の一つであり、その「天」影響を受けて生きているという「天人合一」という言葉を大切にしています。薬膳が季節の食事を大切に考える事はそのあたりが大きな理由となっています。
薬膳の視点から春を迎える時期の食養生のポイントは
デトックスの食材を取る
春は冬の間にたまった老廃物を外に出してのびやかに過ごす時期、体も自然とそのように動き始めます。
ダイエット開始には一年の内で一番おすすめ
おすすめ食材・・えのき、ごぼう、せり、セロリ、くらげ、大根 こんにゃくなど
寒さが残る時期には体を温める食事を考える
冷えは体のめぐりを悪くします。温めることで免疫力アップ
おすすめ食材・・葱、生姜、大葉 鶏肉、羊肉 海老 かぼちゃ
春の臓 肝を養うために血を増やすもの、潤いを増やすものを取る
五臓の肝は春の臓。血をかかわりの深い臓です。血を整え体を潤す食材を取るこることが大切です。
おすすめ食材・・レバー、金針菜、ほうれん草、なつめ、ニンジン 黒ゴマ レンコン 牡蠣 卵など
肝の気の乱れを調整し、気のめぐりを良くするもの、香りのものを取る
肝の気が上がると、イライラや目眩の原因となります。また肝の気が下がると落ち込みやすくなったり、不眠の原因となります。
おすすめ食材・・菊花、柑橘類、緑茶 クレソン、マッシュルーム アナゴ セロリ ミント等
このように、特別に生薬を使わなくても、季節や体調にそって、美味しく食べて体を整える薬膳の醍醐味、食養生のお話をご紹介していきたいと思います。
これからもどうぞゆるりとご拝読の程よろしくお願いします。
敦煌薬膳監修
国際中医薬膳師 原田裕子
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