二十四節気コラム
大寒(だいかん)1/2~2/3頃

お正月気分も抜けた一月下旬、二十四節気の最後の節気・大寒の候を迎える時期となりました。
言葉どおり、一年で最も寒さが厳しく、さらに乾燥が進む頃です。
寒さが極まる時期ではありますが、上品な芳香を放つ梅の花や、清らかな水仙の花を見かけるのもこの頃。
俳句の季語である「春隣(はるどなり)」は、大寒の先には必ず春が訪れる、この時期を表した素敵な言葉です。
薬膳は「未病先防」。
日々の食事で病気になりにくい体を整える、つまり予防医学を根幹としています。
厳寒の頃は、
しっかり体を温め、
寒さから体を守り、
潤いを保ちながら、
はしゃぎすぎず静かに暮らすこと。
そして、次の季節である春に向けて、春の臓「肝」を整える体を作っていくことが大切です。
この時期のおすすめ食材……『ニラ』。

以前、長崎・博多を旅した際に訪れた禅寺の入り口に、「不許葷酒入山門」という言葉が刻まれた石門が立っていました。
においの強い野菜と酒は、この山門の中に入ることを禁ずる、という意味です。
においの強い野菜とは、ニラをはじめ、にんにく、パクチー、ねぎ、らっきょうなど。
こうした精のつく食べ物や酒は修行の妨げになるため、寺への持ち込みを禁じていたのだと思われます。

ニラは別名「起陽草」と呼ばれ、腎を温め、精をチャージする食材。
冷えから体を守り、冷えによる腰痛や腹痛などのトラブルを改善し、また腎精の低下による頻尿や、膝・腰の痛みを和らげるアンチエイジング効果も期待できます。
大寒の寒さを乗り切るための、頼もしい食材です。
大寒の次は立春。
春の始まりを告げる節気です。
春の臓は「肝」。この「肝」は、気と血を巡らせ、血を貯蔵する働きを担います。未病先防の考え方では、次の季節に向けた体作りが重要です。
体を温めるニラと、血を作る食材であるレバーを香りよく炒めたレバニラ炒めは、この時期に特におすすめ。
私は、ニラを醤油・みりん・ごま油を合わせた調味料に漬けて作る自家製ニラ醤油を常備し、茹で野菜や湯豆腐に添えたり、鍋のつけダレとしていただいています。
食べ物の持つ力を理解し、その季節や体調に沿ったものをいただくこと。
日々の食事で明日の体作りを考えることは、まさに薬膳の真骨頂であり、古から伝わる大切にしたい知恵です。
◇二十四節気(にじゅうしせっき)とは◇
「立春」「春分」「夏至」など、季節を表す言葉として今も使われている二十四節気。
1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにその季節を6つずつ細かく区切った、自然の移ろいを示す24の暦です。
太陽の動きをもとに作られ、古くから暮らしや農作業の目安として受け継がれてきました。
◇敦煌の薬膳への取り組み◇
中国名菜敦煌では、薬膳料理研究家・原田裕子先生の監修のもと、季節に合わせた薬膳メニューをご提供しています。
二十四節気に寄り添いながら、先生のコラムと旬のおすすめ食材も掲載しています。

