二十四節気コラム
冬至(とうじ)
12/21~1/4頃
21日は冬至です。冬至は一年のうちで昼が一番短く、夜が長い日です。

中国の陰陽五行説は、森羅万象のすべてのものを陰陽、さらに五行に分け、その関連の中で世の中は回るという哲学です。
その考え方では、冬至は陰の世界から陽が増える世界へ入れ替わる重要な日とされ、生命の誕生や新しい年の五穀豊穣を願う、お正月と同じくらい大切な日として祝われていました。
「一陽来復」――たとえこの一年、辛いことがあったとしても、来年の福を願う日でもあります。
この日の行事食は年代や地方によりさまざまですが、宋代(960-1279)に書かれた書物には「冬至餛飩、夏至麺」と記されたものがあります。
餛飩はワンタンのこと。
この字は、椀の中でゆらゆらと浮かぶワンタンを、陰陽が入れ替わる混沌とした宇宙観になぞらえたものだとされています。

なんとも豊かでユーモラスな発想を持った先人たちと、その食文化に、尊敬と同時に愛おしささえ感じます。
この時期のおすすめ食材・・・『えび』
昼と夜の長さが逆転する日とはいえ、冬の時期はこれから一層気温も下がっていきます。
えびは海産物としては珍しく体を温める作用があり、寒い時期には貴重な食材です。手足の冷え、むくみ、肩こりの改善が期待でき、また冬にダメージを受けやすい「腎」の機能を高める働きがあります。

腎機能を高めることは、足腰のだるさや白髪、アンチエイジングにもつながります。
お正月のおせちに欠かせない「えび」。
腰が曲がるまで元気でありますように、といういわれは、こうした効能にも由来しているのではないかと思っています。
葱や生姜、唐辛子も入った「えびのチリソース」は、この時期とてもおすすめの一品です。
ワンタン好きの私は、毎年我が家で冬至の日に、餡に「えび」をたっぷり入れたワンタンを作り、冬至の行事食として家族の健康と幸せをお祈りしています。
◇二十四節気(にじゅうしせっき)とは◇
「立春」「春分」「夏至」など、季節を表す言葉として今も使われている二十四節気。
1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにその季節を6つずつ細かく区切った、自然の移ろいを示す24の暦です。
太陽の動きをもとに作られ、古くから暮らしや農作業の目安として受け継がれてきました。
◇敦煌の薬膳への取り組み◇
中国名菜敦煌では、薬膳料理研究家・原田裕子先生の監修のもと、季節に合わせた薬膳メニューをご提供しています。
二十四節気に寄り添いながら、先生のコラムと旬のおすすめ食材も掲載しています。

