
春節快了!
春節は旧暦の元旦、新しい一年の始まりです。
中国や台湾、東南アジアの社会では、春節はとても大切な日で、家族がそろって食卓を囲み、一年の無病息災、家族の円満と繁栄を願う日です。

ずいぶん前の話ですが、日本にある中国機関の職場で働くにあたり受けた面接で、まだ季節は夏の頃でしたが、「来年春節の時期、中国人スタッフはみんな中国に一時帰国しますので、その間あなたは、休まず出勤し、しっかり留守番をお願いします」と念を押されました。
先日のテレビのニュースでは、今年も中国の「春運」、つまり旧正月の前後、家族と過ごすために帰郷する人たちの大移動による交通ラッシュの様子が報じられていました。
毎年このニュースを目にするたび、あの面接のことを思い出し、中国人は春節の時期、家族と過ごす時間を大変重んじているのだなと改めて思います。
さて春節といえばいろいろな習わしがありますが、なんといっても最大の楽しみは、皆でいただくご馳走です。
臘月(旧暦の12月)に入ると、お正月を迎える準備に入り、春節の前夜からテーブルにあふれるほどの縁起物のお料理が並びます。
実はこの縁起のよいご馳走には、薬膳の観点から見ると中国人の日々の食養生の知恵がたくさん詰まっています。
新しい一年(春)を迎えるための食養生
冬から春へと移る頃、厳しい冬を乗り切るため、なるべくエネルギーを蓄えて過ごす時期から、自然界の万物が目覚め活動を始める時期へと移ります。
春は気(エネルギー)と血(全身に栄養を運ぶもの)を巡らせ、体に不要なものをデトックスし、新しい生命が生まれる時期なのです。この節目にふさわしい春節の行事食をいくつかご紹介します。
◆餃子・・大晦日に家族総出でたくさんの数の餃子を包み、みんなでいただく餃子。餃子を茹でる湯気の向こうに笑顔いっぱいの幸せな風景が浮かんでくるようですね。中に詰める具材は肉、にら、生姜、ねぎなどですが、これには、生殖と関連する「腎精」を補い、温める食材が多く使われています。餃子は「交子」、つまり子孫繁栄の願いや寒い冬を乗り切るための行事食です。

◆年糕・・中国語のお餅「年糕(ニエンカオ)」は、発音が同じで、年々栄えて発展していく「年々高(ニエンニエンカオ)」という意味にかけて、お正月には縁起の良いお餅を用意します。もち米は気(エネルギー)を補い、体を温める養生食。これを食べて元気をつけて発展していきたいという行事食です。
◆魚・・「魚(ユイ)」と「余(ユイ)」の発音が同じことから、「年年有余」、つまり日々の暮らしにますます余裕が出てきますようにとの願いをこめ、魚料理を作ります。薬膳では魚類は消化機能を高め、気と血を作り、そして生殖や老化に関する腎機能を高める働きを持つものが多いので、冬から春に向けての体力づくりにはぴったりの食材でもあります。
◆鶏・・「鶏(ジー)」と「吉(ジー)」も同じ発音。めでたく、滋養食材の代表である鶏料理もお正月料理には欠かせません。
これらは一例ですが、日本のおせちも同様、国や世代を超え、お正月の伝統食には一年の幸せと健康を願うものがたくさんありますね。
この一年、どうか天災もなく、皆様が健康で幸せにお過ごしくださることをお祈りしています。

◇敦煌の薬膳への取り組み◇
中国名菜敦煌では、薬膳料理研究家・原田裕子先生の監修のもと、季節に合わせた薬膳メニューをご提供しています。
二十四節気に寄り添いながら、先生のコラムと旬のおすすめ食材も掲載しています。
