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二十四節気コラム~穀雨〜

24節気 穀雨(こくう)
(4/20~5/5)

ハナミズキ、つつじ、ぼたん、レンギョウ、藤の花たちが一斉に咲き始め、お散歩の喜びが増えました。名前を知らない植物に出会うと、その都度Google先生に聞く密かな楽しみ(笑)が増えたこの頃です。
さて春の最後の節気である「穀雨・こくう」に入りました。その名の通り、穀物を育てる雨が降る時期です。昔はこの雨を合図に種まきや田植えの準備に取り掛かったそうです。生命力にあふれ、ひときわ新緑をまぶしくしてくれる恵みの雨ですね。しかしその一方、雨によって湿度が高くなり、消化機能に負担がかかりがちな時期です。さらに春の寒暖差によって経絡・気・血が滞りやすくなります。このころの養生としては、体を冷やすもの、のぼせやすいものの食べ過ぎには注意することに注意しましょう。

この時期のおすすめ食材・・緑茶


中国の歴史上で初めて「茶」が登場するのは、農業の神様・中医学の神様である神農様の逸話の中です。神農様は自然界のありとあらゆる樹木や野草を口にし、それらが持つ効能を自分の体で試し世に示した、中医学、漢方薬の祖とされる伝説上の神様ですが、その過程で、毒に当たった時には茶を飲み毒消しをしたと伝わっています。
実際にお茶にはのどの渇きをいやし、気持ちを落ち着け、解毒作用などの働きがあり、昔は薬として飲まれはじめ、その後嗜好品、茶文化として発達したものです。茶文化を体系的にまとめた唐代の文人、陸羽がその書『茶経』の中で「茶葉は南方の嘉木なり」と述べたように、お茶は南方の植物で、中国・雲南地方が原産とされています。日本より少し茶摘みの時期が早い中国では、清明や穀雨の時期の前にできる新茶はそれぞれ「明前茶」「雨前茶」として大変貴重なもの。中国や香港などでは瑞々しい香りと甘みを放つ新茶を飲むことは、成功者に許される一種のステータスでもあったのです。
また中国から日本にお茶が入ったのは鎌倉時代。栄西禅師が中国から持ち帰った茶を佐賀の背振山のあたりに植えたのが始まりだとされています。その後日本各地の温暖な土地にお茶の栽培が広がったとみられています。私が以前訪ねた福岡博多駅近くの「聖福寺」は、栄西禅師が日本で最初に開いた禅寺として有名ですが、寺の境内では、今でも大切に育てられているお茶の木を見ることができました。ちなみに日本で生産されるお茶の大部分は緑茶、また中国でも生産量の約7割~8割は不発酵茶の緑茶が占めています。


先日、茶の栽培が盛んな佐賀県の嬉野でお茶農家として茶を作り、多くの人に嬉野茶を体験してもらうために日々活動をされている友人から、収穫を控えた茶畑の動画を送ってもらいました。この風景を見て、そして茶畑に思いを馳せると、心ときめき、大げさですが生きている喜びを感じることができました。特に茶道の心得もなく、ただ子どものころは毎朝母が淹れてくれ、長じては自分で入れた緑茶で一日をスタートさせる習慣だけは続いている私にとって、朝いただく一杯のお茶は、日々の暮らしの中で当たり前で、そして大切なものとなっています。
穀雨の頃から本格的な茶摘みのシーズンに入ります。皆さんもぜひお茶を通して大地のエネルギーと癒しを受け取ってください。

◇二十四節気(にじゅうしせっき)とは◇
「立春」「春分」「夏至」など、季節を表す言葉として今も使われている二十四節気。
1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにその季節を6つずつ細かく区切った、自然の移ろいを示す24の暦です。
太陽の動きをもとに作られ、古くから暮らしや農作業の目安として受け継がれてきました。

◇敦煌の薬膳への取り組み◇
中国名菜敦煌では、薬膳料理研究家・原田裕子先生の監修のもと、季節に合わせた薬膳メニューをご提供しています。
二十四節気に寄り添いながら、先生のコラムと旬のおすすめ食材も掲載しています。